男たちの大和

ようやく最後の株主優待券を使う時が来た。
ホントは冬休み前に観たかったのだが。。。ま、それは中に入ると杞憂
であったことに気付かされるわけだが。。。ともかく、丸の内東映へと
足を進める。
「只今、2F席なら見れるよん」
という案内。ホントに入ってんだね、ということで入場。
スクリーンが遠いよぉ。てことで周囲を見渡すと、中高年のおじさん、
おばさんしかいないのねん。で、前の席のババアは携帯を見たりして
眩しくてしゃーないし、後ろのジジイはシーハーシーハー「何か歯に
詰まってんのか?」みたいな音をさせてウザすぎるワケで。劇場では
私はそんなんが異様に気になってしまうタチなので腹が立って仕方あり
ません。
ま、そんな些細なこたぁ無視して集中集中(ていうか、はよ始めろよ、
と(笑))。
内田守二等兵曹の義娘の真貴子が神尾克巳と出逢ってしまう、という
ところからスタート。なんかタイタニックっぽい(よく覚えてない)
ま、それはいい。で、いきなり過去とか飛んでしまうワケです。ここら
あたりは「世界の中心で、愛をさけぶ」の手法で、現在のサクが走って
るのにリンクして過去のサクも走ってる。。。っていう感じで過去へ観
客を飛ばして欲しかったかなぁ。。。って思ったワケです。そういった
意味では「映画」というよりも「ドキュメント色」が強いかな、という
印象を受ける。過去と現在を行き来する時に「おぉ」って言わせてくれ
たらなぁ、と思いつつも映画は進む。。。
基本は、森脇、内田、神尾、唐木、西、玉木(養子に出たんで名前が違
う?)あたりがフューチャーされつつ話は進む。
この方々が実在したとかしないとか、ということよりも、そもそも「大
和」に関して「かっこいい船」とか「なんか戦わないですぐ沈んでしま
った船」とか「菊の紋が波動砲に似てるなぁ。。。なるほどなぁ」とい
う事前知識しかないもんだから、ともかく「見たままを受け取る」とい
うスタンスで観ております。
なので、大勢の少年兵がいた、とかそういうことも初めて知ったワケで
す。そして神尾くんが松山シンイチくん。同じ坊主でもNANAのヤスとは
全然違う、というか、ホントにヤス?というくらいの別人ぶりでした。
というか、本筋を引っ張るのはこの神尾くんなワケです。そういう意味
では、松山くん大抜擢だったんですね。
てことで驚いたのは、なんとか島?で、戦闘してたということ。
なんか、その時の艦長がすごい人で、魚雷を一発も当てられない操船を
したとかしないとか、と何かに書いてあった(パンフか?)。ま、それ
は操舵手の腕が。。。ま、それはいいか。
で、この戦闘で玉木の兄が亡くなるワケです。
そして、沖縄へ死の航海をする前の最後の別れ。。。
西は相変わらず母親に金を送り、玉木は森脇のはからいで実母と再会、
森脇は先の戦闘で負傷した内田のもとへ山本五十六から貰った形見?を
渡しに病院へ、そして内田は恋人の元へ。。。神尾は家に戻るも、母親
は幼馴染みの野崎妙子をかばい既に逝去。そして兄も既に戦死していた
のであった。。。唐木は嫁と息子にも会えずに独り過ごし。。。
そして乗船の日、唐木の嫁と息子は彼を無事に見送ることができた。。。
援護のない片道の燃料しか持たない大和は秘密裏に乗船した内田を載せ、
沖縄へと出航する。そして、最後の戦いは始まる。。。
あまりにも無謀すぎる戦闘が延々と続く。死者を無尽蔵に生産していく
ほかない。。。なんか主砲よりも機銃の方が有効に見えてしまうのは、
やはり内田や神尾が機銃を扱っていたからであろうか。ともかく、戦闘
機の攻撃に全く為す術がない大和。唐木が撃たれ、内田も倒れ、森脇も
。。。そして艦は傾き、艦長が退去命令を下す。。。(あの時、艦橋か
ら去った伊藤整一(渡哲也)は。。。死んだのかどうか。。。がわから
ないワケだが。。。ともかく、命令が出たので、内田と森脇は機銃に弾
が残ってる限り戦闘を辞めようとしない神尾を引き剥がし退去させる。
内田と森脇は戦闘を続けていた。。。
大和大破。。。巡洋艦がやってくる。。。神尾が向かおうとすると西が
「俺はもうだめだ。。。」と水没してしまう。。。救い出すことができ
ない神尾。。。ほどなく、森脇に抱えられ、艦に救い上げられる神尾。
そして森脇は大和の方向へと戻って行った。。。
神尾は西の母親の元を訪れる。死を受け入れない母。しかし、現実を受
け入れることのできた母は、救い出すことの出来なかった謝罪をする神
尾の前で泣き崩れるのだった。。。
妙子とは広島で再会できた。厳島のお守りを妙子から受け取っていた神
尾、そして妙子のお守りは。。。西が描いてくれた妙子の画であった。
元気になったら働いて船を買おうね、船の名前は「明日香丸」よ。。。
現在の明日香丸の画が重なっていく。。。
その後、妙子は広島の原爆で亡くなる。内田の恋人の文子も。。。
冒頭で神尾爺が没4月7日の森脇の墓へ参っているので、森脇は死んで
いるとわかったが、内田は真貴子の言葉により、去年まで生きていたと
いうことを知る。。。そして、内田の遺骨を大和の沈んだ場所まで行っ
て巻く、という行為により、自分が生きていた意味を知る。。。
明日香丸で働いている少年兵と同じ年齢の15才の少年も何かを感じた
かのように、大和の沈んだ場所から離れて行く。。。その少年の操船に
よって。。。
そして、今でもあの場所に大和はひっそりと眠っているのであった。。。

。。。長さは感じなかった。ただ、前半の過去と現在の行き来が多少急
すぎる感はあったが、明日香丸のリンクで持ち直したか?(笑)
ただ群像劇であるのと、大量に人間が死んで行くために、撃たれまくり
なシーンがわかりづらい、や、これはどの映画にも言えることなのだけ
れど。ま、誰かがフューチャーされてれば、その撃たれるカットを映せ
ば済むのだから。逆に取ると迫力はあった。戦闘が始まると、とどまる
ところを知らない轟音が延々と続く。私は「引きの画」がなかなか面白
かった。あれに敵機の「弾」の目線で大和にブチ当たる、というような
画があったら面白かったかな、とは思った。もしくはその逆で、内田が
撃った弾が敵機に当たるまで、みたいな画があったら。。。とか思いな
がら。。。んー、そのあたりはドキュメント映画、のような感じでした
でしょうか。。。なんか「226」を思い出してしまいました。なんで
ですかね(笑)
ただ、この映画を観たことにより「戦艦大和」というものに異様に興味
が湧いてしまったのは事実ではあります。普通に「あぁ、呉?に本物の
大和見に行きたかったなぁ」とか「ソニービル」にあった模型をもっと
真剣に見てれば(もしくは写メしておけば)よかったとか。
ともかく、「何か」を引きずる。。。そんな映画でした。